2026年1月4日日曜日

第48回A問題 問35 打診で鼓音を認める可能性が高いのはどれか。

第48回救急救命士国家試験A問題はこちら

35 打診で鼓音を認める可能性が高いのはどれか。1つ選べ。

1 血胸

2 気胸

3 肺炎

4 無気肺

5 気道狭窄


解答 2 11版P.563



【オリジナル解説】


正解は 2 気胸 です。

打診(診察)における「音」の変化は、胸郭内の**「空気」と「液体・固体」の比率**を反映します。救急現場での緊張性気胸の判断などに直結する重要な知識です。


各選択肢の解説

  • 1 血胸

    胸腔内に血液(液体)が溜まるため、打診音は**「濁音(だくおん)」**(鈍く重い音)になります。

  • 2 気胸(正解)

    胸腔内に空気(気体)が溜まり、肺が萎縮した状態です。太鼓を叩くような高く響く音である**「鼓音(こおん)」**、あるいは過共鳴音を認めます。

  • 3 肺炎

    肺胞内に炎症性の滲出液(液体)や膿が溜まるため、打診音は**「濁音」**になります。

  • 4 無気肺

    肺の一部に空気が入らなくなり、組織が潰れて固まった状態(固体に近い)になるため、打診音は**「濁音」**になります。

  • 5 気道狭窄

    気道が狭くなっている状態(喘息や異物など)では、肺全体の含気量が増える(閉塞性換気障害)ことはあっても、局所的な打診で明らかな鼓音を呈するよりは、呼吸音の異常(喘鳴)が主症状となります。


打診音のまとめ

救急現場や試験対策として、以下の対比を整理しておきましょう。

音の種類特徴関連する病態
清音健康な肺の音正常な肺
濁音鈍く響かない音(水や肉に近い)血胸、胸水、肺炎、無気肺
鼓音高く響く音(空気の塊に近い)気胸、腸管のガス(鼓腸)

救命士としてのポイント

現場で「呼吸困難」を訴える外傷傷病者を診る際、左右の胸部を打診して片側が「鼓音」であれば気胸片側が「濁音」であれば血胸の可能性を強く疑います。これに頸静脈怒張や血圧低下が加われば、緊急脱気が必要な「緊張性気胸」への警戒レベルを最大に引き上げる必要があります。

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