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2026年1月8日木曜日

第48回D問題 第1問  心停止の直接的な原因(Primary Cause)と、それに対する根治的治療(専門診療科の選定)に関する問題

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1 52歳の男性。糖尿病で治療中である。胸痛を訴え倒れたため、同僚が救急要請した。

 救急隊到着時、心肺停止状態。前額部の挫創と右前腕の変形とを認めた。心電図モニターは心室細動であり電気ショックにより、現場で心拍再開した。搬送先医療機関として三次救急医療機関を選定した。

 医療機関の救急外来で救急科の医師とともに、直ちに診療を行うことが想定される診療科はどれか。1つ選べ。

1 麻酔科

2 整形外科

3 循環器内科

4 脳神経外科

5 内分泌代謝・糖尿病内科


解答 3


【AIによる回答】


第1問は、心停止の直接的な原因(Primary Cause)と、それに対する根治的治療(専門診療科の選定)に関する問題です。


解説:心室細動(VF)と専門科の連携

正解は3(循環器内科)です。

本事例の最も重要なポイントは、傷病者が「胸痛」を訴えた直後に「心室細動(VF)」で心停止に陥り、電気ショックで心拍再開したという点です。

  • 3 循環器内科:

    • 胸痛から心室細動に至る最大の原因は、心臓の血管(冠動脈)が詰まる急性心筋梗塞(AMI)です。

    • 心拍が再開した後の最も重要な処置は、再閉塞を防ぐための緊急カテーテル検査・治療(PCI)です。これを行う専門科は「循環器内科」であり、救急外来到着直後から救急科医師と連携して治療にあたる必要があります。


他の選択肢の分析

  • 2 整形外科:

    「前腕の変形」や「挫創」を認めていますが、これらは倒れた際に受傷した二次的な外傷です。生命を維持するための優先順位(心疾患の治療)としては、心筋梗塞の処置が先決となります。

  • 5 内分泌代謝・糖尿病内科:

    既往の「糖尿病」は、動脈硬化(心筋梗塞のリスク因子)としての背景にはありますが、救急外来で「直ちに」診療にあたる主役ではありません。

  • 1 麻酔科 / 4 脳神経外科:

    本事例の経過(胸痛からの心停止)から判断すると、優先度は低くなります。


救急救命士としての臨床的視点:病院選定と情報の優先順位

救急隊が三次救急医療機関を選定した判断は、以下の理由から非常に適切です。

  1. 心停止後症候群(PCAS)の管理:

    心拍再開後は、脳のダメージを最小限にする「体温管理療法」や「人工呼吸器管理」が必要であり、高度な集中治療が可能な施設が求められます。

  2. 冠動脈への緊急アプローチ:

    「VF(心室細動)からの心拍再開」という情報は、受け入れ側の病院にとって「カテーテル室を今すぐ開けてくれ」という強力なメッセージになります。

  3. 既往歴の意味を読み取る:

    糖尿病患者は「痛みを感じにくい(無痛性心筋梗塞)」ことがあるため、胸痛の訴えが弱くても、今回のように突然心停止に至るリスクを常に念頭に置く必要があります。

まとめ:

「胸痛 + 心室細動 = 急性心筋梗塞 = 循環器内科(カテーテル治療)」という強力なリンクを、現場のアセスメントと病院選定に活かしましょう。

第48回D問題 問2

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2 30歳の女性。うつ病の既往があり、連絡が取れないため心配した友人が訪問した。

 アパート1階、玄関ドアは鍵が掛かっていなかったため中に入った。室内にはおらず、浴室ドアは鍵が掛かっており人影が見えたが声をかけるも応答がないため救急要請した。救急隊は「30歳女性、浴室内、急病人」の指令内容により単隊で救急出場した。

 救急隊到着時、友人の案内で浴室に向かうと、浴室ドアに張り紙が貼ってあった。写真(別冊No.7)を示す。

 救急隊が直ちに行うべき対応はどれか。1つ選べ。

1 警察へ通報する。

2 鍵を壊し救出する。

3 状況を再聴取する。

4 進入可能な窓を探す。

5 消防隊を応援要請する。
















解答 5

第48回D問題 第3問 強い心理的ストレスによって生じる解離性障害(解離症状)に関する問題

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3 53歳の救急隊員の男性。以前から消防署内の人間関係のストレスがあり、離婚問題も抱えていた。ある日運転する救急車をガードレールにぶつける自損事故を起こした。

 搬送傷病者はおらず、同乗中の同僚救急隊員にけがはなかった。本人は打撲程度の軽傷であったが病院受診し明らかな外傷は認められなかった。その後、高校卒業以降35年間の記憶が消えていることに気づいた。

 このストレス反応で認められるのはどれか。1つ選べ。

1 解離症状

2 回避症状

3 覚醒症状

4 陰性症状

5 再体験症状


解答 1


【AIによる回答】


第3問は、強い心理的ストレスによって生じる解離性障害(解離症状)に関する問題です。


解説:ストレス反応と解離

正解は1(解離症状)です。

本事例では、職場での人間関係のストレスや離婚問題といった極めて強い心理的負荷がある中で、交通事故という衝撃的な出来事を経験しています。

  • 1 解離症状:

    「解離」とは、本来なら連続しているはずの意識、記憶、思考、アイデンティティが、ストレスから自分を守るために一時的に切り離されてしまう状態です。

    • 本症例のように、医学的(身体的)な脳損傷がないにもかかわらず、特定の期間や自分に関する重要な記憶がすっぽりと抜け落ちてしまう(解離性健忘)のは、典型的な解離症状の一つです。


他の選択肢の分析(PTSDなどの症状)

選択肢2、3、5は、主にPTSD(心的外傷後ストレス障害)の診断基準に含まれる特徴的な症状です。

  • 2 回避症状:

    トラウマとなった出来事を思い出すような場所、人、会話を極力避けようとすることを指します。

  • 3 覚醒症状(過覚醒):

    常に神経が張り詰め、過剰に警戒したり、些細なことでひどく驚いたり、不眠になったりする状態です。

  • 5 再体験症状(フラッシュバック):

    恐ろしい体験が、自分の意志とは関係なく、当時の感覚(音や臭い、恐怖)を伴って鮮明に蘇ることを指します。

  • 4 陰性症状:

    主に統合失調症で見られる、感情の平板化、意欲の低下、思考の貧困などを指す用語です。


救急救命士としての臨床的視点:CISM(ストレス管理)

この問題は、救急隊員自身のメンタルヘルス管理の重要性も示唆しています。

  1. デブリーフィング(CISM):

    凄惨な現場や事故の後、隊員同士で感情を共有し、ストレスを軽減させる仕組みが必要です。一人で抱え込むと、本症例のような深刻な精神症状に繋がることがあります。

  2. 身体疾患との鑑別:

    現場でのアセスメントとしては、記憶障害がある場合、まずは交通事故による「脳振盪」や「外傷性脳損傷」など、物理的な原因を疑い病院へ搬送することが鉄則です。検査で「明らかな外傷がない」と判明して初めて、心理的原因が考慮されます。

まとめ:

「耐え難いストレスによって記憶や意識が切り離される = 解離症状」と結びつけて覚えましょう。自分たち救急隊員の心を守ることも、プロフェッショナルとしての重要な役割です。

第49回D問題 第1問 自殺企図(薬物過量服薬)における傷病者の拒否的な「意思表示」に対し、救急隊が命を救うために強制力を伴う搬送・介入を行った根拠を、医療倫理・生命倫理の基本原則(ビーチャムとチルドレスの4原則など)に基づいて学術的に整理できるかを問う問題

1 22歳の女性。数年来、双極性障害で通院している。過剰服薬による救急搬送も複数回あり、現在は自宅療養中で両親と同居している。母親が部屋に行くと、呼名に反応がなく、「死なせてほしい」というメモと多数の薬の空シートがあったため、救急要請した。  救急隊到着時観察所見:意識JCS 1...