9 分娩後に臍帯で母体とつながった状態で啼泣している児を発見した場合、最初に行うことはどれか。1つ選べ。
1 警察へ通報する。
2 母親に児を抱かせる。
3 母親の胎盤の娩出を促す。
4 第1臍帯クリップをかける。
5 母子手帳の内容を確認する。
解答 4
【AIによる解説】
第9問は、現場での新生児処置(病院外分娩)における優先順位を問う問題です。分娩直後の新生児の安全確保と、適切な処置のステップを理解しているかが問われています。
解説:新生児の初期処置
正解は4(第1臍帯クリップをかける)です。
現場に到着した際、児がすでに生まれており、啼泣(泣いている)して呼吸が安定している場合、まず行うべきは臍帯(へその緒)の処理と保温です。
4 第1臍帯クリップをかける:
臍帯を通じて母体とつながっている状態では、児の血液が母体側へ逆流したり、逆に過剰に流れ込んだりするリスクがあります。また、適切な位置(児の腹壁から約10cmなど)でクリップをかけ、遮断することは、新生児の生理的安定のために不可欠な医療的初期対応となります。
※クリップ(または紐で結ぶ)をしてから、第2クリップをかけ、その間を滅菌鋏で切断するのが一連の流れです。
他の選択肢の分析
1 警察へ通報する:
事件性が疑われる場合(遺棄など)を除き、救急現場での最優先事項は母子の救命処置です。警察への連絡は、状況が落ち着いてから、あるいは本部を通じて行います。
2 母親に児を抱かせる:
「早期接触(カンガルーケア)」は大切ですが、まず臍帯処置や児の保温、全身状態の確認(Apgarスコアの評価など)を確実に行うことが、救急活動としての優先順位です。
3 母親の胎盤の娩出を促す:
胎盤は通常、児の分娩からしばらくして自然に娩出されます。救急隊員が無理に引っ張ったり、娩出を促したりすると、子宮内反症や大出血を招く恐れがあるため、禁忌に近い行為です。自然に娩出されるのを待つか、病院到着後に処置を委ねます。
5 母子手帳の内容を確認する:
情報収集として重要ですが、「最初に行うこと」ではありません。まずは目の前の命(新生児と母親)の生理的安定を優先します。
救急救命士としての臨床的視点:新生児搬送の3原則
病院外での分娩に立ち会った際、救急隊は以下の3点を同時に、かつ迅速に行う必要があります。
保温(最重要):
新生児は低体温になりやすく、それが呼吸障害を招きます。羊水を拭き取り(ドライアップ)、乾いたタオルで包み、頭部も覆います。
気道確保と刺激:
泣いている場合は気道が開いていますが、羊水などの吸引が必要な場合もあります。
臍帯処置:
前述の通り、クリップを用いて適切に遮断し、切断します。
現場でのポイント:
「児が泣いているから安心」と思わず、すぐに体が冷えないように処置をしながら、母親の産後出血(子宮収縮の状態)にも同時に目を配る必要があります。
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